「肌」に対する認識の違いに対する想像力

敏感肌というのは非常によく使われる言葉ではありますが、実は、明確な定義がある言葉ではありません。
もちろん、「敏感肌と呼ぶしかない肌質や状態」というのは実際に存在しますが、それは明確な区切りがついている言葉ではなく、疾患肌、不安定肌、健常肌といった、他の肌の状態との関係のなかで、「なんとなく」「主観的」に決められるものでしかありません。

敏感肌という言葉で何かをまとめることの粗暴さについて

紫外線や日焼け止め、化粧品、洗剤、ハウスダストや埃などで皮膚トラブルが起こる人を「敏感肌」ということもあれば、肉体や精神の疲労による皮膚の弱体、生理や睡眠不足などのある状況における皮膚の弱体などを原因とする「肌トラブルが起きやすい一時的な肌の敏感さ」が「敏感肌」と呼ばれることもあります。
アトピー性皮膚炎や、紫外線アレルギー、膠原病などによる皮膚の疾患は「敏感肌」という言葉ではカバーできない領域を含んでいます。
このような言葉ですから「敏感肌にオススメの日焼け止め」というものを提示するのは、極めて難しい状態にあるということを受け入れなければなりません。

皮膚の質や状態は人によって違うということを想像する

「敏感肌だ」と認識している肌の持ち主と、日焼け止めをオススメする側の「敏感肌」に対する認識が一致することは稀であり、その認識のズレによるオススメと受容は、不要な肌トラブルを引き起こす原因になりかねません。
敏感肌のための日焼け止めは、自分の肌が敏感肌のどの領域に属するか、具体的にどういう場面で症状が出るか、などを把握したうえで、自分の身体と相談しながら選ぶことしかできないもので、人が誰かにオススメできるようなものではないのです。
「敏感肌の人に日焼け止めを簡単にオススメすることはできない」という態度をとることは、皮膚的な領域における想像力を持たなければならない人間がとれる、他者に対する最低限の礼儀であり気遣いである、といってもよいのではないかと思います。
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